日本人を相手にしない商売はこの先通用するのかな?
自分たちで作ったイメージに、自分たちが制限される。
熱そうだった。
人差し指と親指で作った輪っかで頬の肉をつまんで「たこ焼き」ってのは、大阪の子なら誰でもやったことがある。大阪に限らず、たぶん皆知ってるんだろう。たこ焼きなんて日本の食べ物なので、あれをやって「たこ焼き」だと通じるのは日本人だけだ。
もう何年前なのかパソコン内のデータでも調べないと分からないくらい昔、ぼくの目の前で頬で「たこ焼き」を作って笑った女の子がいた。だけど彼女は「たこ焼き」とは言わず「たまご」だと言った。正確には「계란」だ。
ケランって読むけど、もしかしたら「鶏卵」のハングル読みなんだろうか、なんて今さら思ったりした。分かりもしない前衛的な演劇を見た後、テハンノの居酒屋だった。めちゃくちゃ雪が降っていて、ぼくは好きでもないソジュを飲んでいた気がする。
ただそれだけの記憶。道頓堀で一人たこ焼きを食べている女の子を見て思い出した、刹那の回想。