




カメコってのはカメラ小僧の略なのだが、知り合いのカメラマンに聞いたところ、カメラ小僧という言葉が広がった当初は、今のような別称ではなかったらしい。昭和の時代は野球少年みたいな、単純にカメラが好きな子どもって意味で使われていたようだ。それが今の意味で使われるようになったのは、篠山紀信が自分自身に対して使い始めてからというから、意外にカメコにも由来と歴史があるんだなと感心した。
初めてカメコさんと呼ばれた頃(前回参照)は、そもそもカメコという意味を把握してなかったので、特にネガティブな印象も持たなかったけれど、今になって思えば随分酷い言いぐさだなって失笑してしまう。スタジオを予約してカネまで払って、それでカメコって何だよみたいな(笑)
ただあの頃のぼくはテクニック的な意味で本当にダメだったなと反省もしている。レイヤーさんたちは自身の作った衣装を含めた世界観をちゃんと撮ってほしい筈なのに、ぼくはというと、何でもかんでもボカして撮っていた。50ミリの単焦点でf値は開放。コスプレというかレイヤーさんの心理が、まったく分かってなかったのだ。
数年後、コロナの前にまた知り合いのレイヤーさんから頼まれて、何度か撮るようになった。今回は以前の反省を踏まえて、多少はマシなものを撮れたんじゃないかと自負している。今度の女の子たちは誰もぼくをカメコとは呼ばなかった。
彼女たちは○○さん写真上手いし社交的なんで、本格的にレイヤー専門カメラマンになったら人気出ますよ!と言ってくれた。オッサン丸出しで鼻の下を伸ばしてだらしなく笑ってはいたけれど、結局コロナ以降コスプレ写真は撮っていない(今回の写真は10年くらい前に撮ったものです)