風景に撮らされている。
日中はまだ残暑が厳しい。
我ながらあざといな。
まだ少し早いみたいだ。
彼岸花を摘んで下校していたら、大好きだった君に「毒の花やのにー!」と言われて、怖くなって慌てて小川に捨てた。あれからずっと彼岸花を見るたびに、君のことを思い出す。電話口でそう言われて、川端康成の「掌の小説」にある掌編の一節を思い出した。
「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます」ってくだりだ。そんな子供の頃の記憶より、もっと思い出作ったやろ?と応えると、それ以外の思い出は全部消したと、切り捨てられた。
彼岸花かーと検索したら、もう奈良では見頃らしい。今朝のお珍歩は少し足を延ばして、吉野の方に行ってみた。残念ながら、まだ季節には早い様子で、ほとんど咲いてはいなかったけれど。
帰って気づいたけれど、この写真の左上に、赤とんぼが写っている。