2023
13
Mar

生活雑感

くるくる回った卒業アルバム

お揃いの一輪の花を持って歩いている制服の女の子がいて、ああ卒業式なのかと思った先日。卒業式の記憶ってあまり残ってないですね。小中高大とそれなりに経験してる筈なのに。大学の卒業式は少しだけ覚えてるかも。卒業制作が入賞したので、学科では主役扱いしてもらったし。まぁ1位じゃないのが悔しかったけど。

実はぼくは数年間だけ高校教師をしてました。それもぼくの知能や知性にぴったんこの、なかなか今時ないよ?ってレベルの高校。学級崩壊というか学校崩壊してるんだけど、一周回った感じでむしろクラスコントロールが容易いような学校で、すごく楽しい仕事でした。

登校時の電車で男子生徒に「せんせーおはよー!」とか言われると「せんせー言うな!学校の外では他人のフリしろボケ!」なんて返して笑ってられるような感じで、今思うとぼく自身に教師としての自覚なんてもの欠如してた気がします。

いつだったか、卒業式に女子生徒3人から紙袋を貰いました。中身は彼女たちが当日着用してたブラでした。「アホか!要らんわ!」って返したけど「思い出思い出!」と受け取らされ「ほんましょーもないなお前ら!」と呆れたフリをしつつ、めっちゃ嬉しかったの覚えてます。薄緑とピンクと白黒ボーダーのブラ。

今になって思えば、着ている写真を撮らせてもらえば良かったと多少後悔してます。卒業後なら撮っても問題にならないような学校でしたから。いや、問題にはなるか。問題というか犯罪になるのか(笑)ちなみに貰ったブラは最初の結婚前に処分しました(さすがにブラを色んな意味で使うことはなかった。使えば良かった)

ブラをくれた彼女たちはそれなりに楽しい卒業式だったようで、最後は少し泣いてもいました。泣くほどの思い入れがあの学校にあったというより、記号としての「JK」だった季節が終わることへの涙のように見えました。正直、泣ける高校生活を送れたことが羨ましかったのを覚えてます。

ぼくの高校生活は泣けるほどの感動なんて皆無でした。というかあの学校に通ってしまったことを中高6年間ずっと後悔してた気がします。芝居とバンドが生活の中心だったけれど、どちらも学外での活動でしたし。

自身の卒業式の帰り道、一度も開くこともなく、アルバムを川にぶん投げました。くるくる回った卒業アルバムは、泥のような川面に落下して、ぼくはそれが完全に沈むのも確認せずにきびすを返しました。あのアルバムを見たいとは微塵も思えないまま、恐ろしいほどの歳月が流れました。今振り返っても、やはり見たいとは思えません。




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