最近好きなアーティストが出来ました。
ペン画を描かれている方なんですけど、まだ手の届く価格で作品を買えそうなので、コレクションしようかと思ったり思わなかったりしています。無職無収入のぼくでも2~3日備蓄のレトルトカレーで食いつなげば購入できる額なので、欲しければ買っちゃえば良いのですが、どうしても踏ん切りがつきません。
理由は簡単です。その方の作風が、去年亡くなった友だちに非常に似ているからです。それが二の足を踏ませています。ぼくは本当にその方の作品が好きなのか、それとも亡くなった友人を求めているだけなのか。正直に自分自身でも分からないのです。
前者なら問題ないのですが、後者だと作者はもちろん、友だちに対しても失礼な気がして、5000円の原画を買えずにいます。
一時期、まだ駆け出しの作家が描いた作品を買っていました。作品が好きだというよりも、このご時世なのに愚直に頑張る姿勢を応援したいなと思ったからです。彼は結局筆を折ってしまったのでそれっきりになり、購入した作品も引っ越しの際に手放しました。
それ以来久しく絵を買うことはなかったのですが、年の離れた友だちの作品は、その作風が本当に琴線に触れたので、少しずつ原画やTシャツなどのグッズを買い始めました。Twitterのアイコンも彼女に発注して描いてもらったものです。
そんな彼女の新作がもう二度と見られない。その現実は、彼女に会えないこと以上にショックでした。今でも彼女の作品を眺めては、ぼーっとすることが多いです。
こうしてテキストにしてみると、自分の内面が理解できるもので、ここまで書いてみて、やはりぼくは友達の幻影を求めて、最近気になる作家の作品を見ていたようです。うん、買わないな。たぶんぼくはその方の作品を購入しません。
それとは別に、もう一人だけ好きな作家がいるんですよ。まさかのVTuberなんですけど(笑)VTuberもやってる画家なのか、VTuberが画家をやっているのか。抽象画にさほど興味がなかったのですが、彼女の作品は憧憬というか、どこか遠い昔に感じた、曰く言い難いぼくの中の「何か」を刺激するのです。彼女は作家本人も好きで作品も好きという、ぼくにとっては稀有な存在です。
ぼくにとって彼女の作品は、誰かの代用ではなく、唯一無二の存在です。まだ4作品しかコレクションできていませんが、この先もずっと愛でていきたいなと思っています。無職の癖に。